ハーフォード(伯・侯家)(読み)ハーフォード[はく・こうけ](英語表記)Hertford, Earls and Marquesses of

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

ハーフォード(伯・侯家)
ハーフォード[はく・こうけ]
Hertford, Earls and Marquesses of

イギリスの貴族家柄。伯爵位は 1138年頃に始り,クレア家が継承したが,8代伯ギルバート (1291~1314,10代クレア伯,9代グロスター伯を兼称) の死をもってとだえた。 1537年にいたり,エドワード・シーモア (のちのサマセット〈公〉 ) に与えられ,彼の公爵叙任でいったん消滅したのち,その子エドワードにあらためて授けられた。その子の2代伯ウィリアムは,1640年ハーフォード侯に昇格し,次いで2代サマセット公になった (→シーモア家 ) 。その後シーモア家の子孫にあたるフランシス・シーモア・コンウェー (1719~94) が,1750年侯爵を授けられた。彼は R.ウォルポールの甥で,アイルランド総督,宮内大臣などをつとめた。その子の2代侯フランシス・シーモア (43~1822) は,アイルランド枢密顧問官,ダブリン城管理長官などアイルランド関係の要職を経たのち,イギリスの議員,大蔵次官,枢密顧問官,ドイツ駐在大使,宮内大臣を歴任。その子の3代侯フランシス・チャールズ・シーモア・コンウェー (1777~1842) も議員や宮内次官になり,サッカレー小説虚栄の市』の登場人物スティーン侯のモデルとして知られる。

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