日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ハミルトン(Edmond Hamilton)
はみるとん
Edmond Hamilton
(1904―1977)
アメリカのSF作家。1926年からパルプ・マガジンを舞台に娯楽的な冒険SFを書いて、古典的なスペース・オペラの発達と普及に貢献した。外宇宙からの脅威が迫って地球なり太陽系なりが絶滅の危機に瀕(ひん)したとき、ヒーローが敢然と宇宙船を駆って――というのが基本的プロットで、彼はこうした作品を量産したために「世界破壊者(ワールド・デストロイヤー)」とか「世界救済者(ワールド・セイバー)」という異名を奉られた。有名なシリーズものとしては40年代の『キャプテン・フューチャー』、60年代の『スターウルフ』があり、独立した作品には『スター・キング』(1947)、『時果つるところ』(1951)、また、短編集に『フェッセンデンの宇宙』(1973)などがある。
[厚木 淳]
『福島正実訳『キャプテン・フューチャー』(1976・岩崎書店)』▽『野田昌宏訳『時果つるところ』(1969・早川書房)』
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