ネメシア(英語表記)pouched Nemesia
Nemesia strumosa Benth.

精選版 日本国語大辞典 「ネメシア」の意味・読み・例文・類語

ネメシア

〘名〙 (nemesia) ゴマノハグサ科一年草南アフリカ原産。高さ二〇~三〇センチメートル。根生葉は長楕円状へら形、茎葉は倒披針形で縁はいずれも鋸歯(きょし)状。春、梢上の葉のわきに先の深く五裂した筒状唇形花が咲く。花は白・黄・橙黄紅色など。観賞用に栽培される。和名ウンランモドキ。《季・夏》

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改訂新版 世界大百科事典 「ネメシア」の意味・わかりやすい解説

ネメシア
pouched Nemesia
Nemesia strumosa Benth.

ネメシア属の植物は南アフリカ,一部は熱帯アフリカに50種もあるゴマノハグサ科の草本または半低木であるが,ネメシアの名で園芸植物として栽培されるのは,本種とその改良系統である。和名はウンランモドキ。草丈は約20cm。葉は披針形で対生し,葉縁には鈍い歯牙がある。茎は分枝多く直立し,3~5月には葉腋(ようえき)に美しい花を腋生する。花は上下唇弁に分かれ,上唇は小さく,4裂し,下唇は大きく1枚で,洋ランのミルトニアの花型に似ている。花色は紅,橙,黄,クリーム,白など,別種には青色のものもある。種子は有翼で扁平である。種まきは秋9~10月。平鉢にまき,発芽した苗がある程度育ったら小鉢に移し植えるが,冬は霜にあてないようにし,なおかつ高温をさけてよく日光にあて,灌水を控えぎみにして育てる。越冬は約5~6℃でよく,花壇には降霜のおそれがなくなってから植えるが,降雨を好まない。花は脱落しやすい。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ネメシア」の意味・わかりやすい解説

ネメシア
ねめしあ
[学] Nemesia

ゴマノハグサ科(APG分類:ゴマノハグサ科)アフリカウンラン属の総称。南アフリカ原産の一年草または多年草であるが、園芸種はいずれも秋播(ま)き一年草として扱う。なかでも多く栽培されるのはウンランモドキN. strumosa Benth.で、イギリスで改良されたサットニー系が多い。高さ20~40センチメートル。根出葉はへら形、茎葉は披針(ひしん)形。花は不整形の5弁花で径2~3センチメートル、ラン類のミルトニアの花容によく似る。花色は豊富で、紅、橙赤(とうせき)、黄、橙(だいだい)、白色のほか、他種との交配により育成された小輪の青色種、ブルー・ネメシアがある。

 非耐寒性のため温室鉢づくりにしたものをそのまま観賞するほか、春、花壇に植えだしてもよい。

[柳 宗民 2021年8月20日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ネメシア」の意味・わかりやすい解説

ネメシア
Nemesia

ゴマノハグサ科ネメシア属の総称で,約 60種が南アフリカを中心に分布する。一般には,ネメシア・ストルモーサ N.strumosaとその園芸品種が最も多く栽培される。草丈 15~40cmになる一年草で,へら形または線形の葉が対生する。よく分枝し,茎頂にたくさんの花をつける。花は2~2.5cmで,青色,白色,黄色,橙色,赤色や複色など多彩。唇形で上唇が4裂する。鉢植えや花壇に使われる。水はけと日当りのよい環境を好む。秋に種子をまき,ハウス内で越冬させる。暑さに弱く,梅雨のころに枯死する。

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