ゴマノハグサ科(読み)ごまのはぐさか

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ゴマノハグサ科」の意味・わかりやすい解説

ゴマノハグサ科
ごまのはぐさか
[学] Scrophulariaceae

双子葉植物、合弁花類。多くは草であるがまれに高木もある。葉は単葉で対生するが、互生または輪生するものもある。花は両性左右相称、多くは唇形花冠をもつ。雄しべは2本または4本で花筒に付着する。子房は2室で、中軸胎座に数個から多数胚珠(はいしゅ)がつく。蒴果(さくか)で、まれに液果もある。約220属3000種あり、熱帯から寒帯に広く分布する。キクガラクサ亜科、モウズイカ亜科、ゴマノハグサ亜科、シオガマギク亜科に大別される。日本には27属98種ほど野生する。イヌノフグリウリクササギゴケクガイソウキリコゴメグサなど多くのものがある。

[山崎 敬 2021年8月20日]

 APG分類でもゴマノハグサ科とされるが、従来の分類は大幅に変更された。APG分類では、ほとんどの属がオオバコ科、ハマウツボ科、ハエドクソウ科などに移され、アゼナ類はアゼナ科として、サギゴケ類はサギゴケ科として、キリ属はキリ科として、それぞれ独立した。この分類による2018年のデータでは世界に約60属1900種があり、日本には5属11種が自生、そのほか帰化種がある。

[編集部 2021年8月20日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ゴマノハグサ科」の意味・わかりやすい解説

ゴマノハグサ科
ゴマノハグサか
Scrophulariaceae

双子葉植物ハナシノブ目の1科で,約 200属 3000種を含み世界の温帯から熱帯に広く分布する。多くは草であるが,まれにキリなどのように大型の木本もある。花冠は合弁で左右相称,多少とも唇形である。子房は通常2室で中軸胎座に多数の倒生胚珠をつけ,果実は 蒴果または液果で多数の種子を含む。シソ科近縁であるが,シソ科は子房 (および果実) が4室に分れる。日本には約 25属 100種あまりが知られている。

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世界大百科事典(旧版)内のゴマノハグサ科の言及

【ゴマノハグサ】より

…やや湿った草原に生えるゴマノハグサ科の多年草(イラスト)。名は胡麻葉草で,葉の形がゴマの葉に似るのでいう。…

※「ゴマノハグサ科」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」