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「ニューヨーク金融市場」の意味・わかりやすい解説
ニューヨーク金融市場【ニューヨークきんゆうしじょう】
世界最大の国際金融市場。為替市場や株式市場を含め,ニューヨークは世界の金融センターともいわれる。その最大の特徴は,ドルが国際基軸通貨であること,さらに資金量が豊富で,高度の市場機能を持ち,参加が自由などが指摘される。 代表的な金融市場として(1)フェデラル・ファンド市場,(2)TB市場,(3)CD市場,(4)BA市場,(5)商業手形市場があげられる。(1)は連邦準備銀行預金の貸出市場で,取引期間は翌日から30日までの短期。したがって日本のコール市場に相当する。(2)は政府短期証券(1年以内)を取引する市場,(3)は譲渡可能性預金証書(CD)を取引する市場,(4)は通常バンカーズ・アクセプタンスと呼ばれるもので,銀行引受手形の市場,(5)は運転資金の調達のために企業が振り出す手形を取引する市場。いずれも米国内だけでなく世界各国から参加できる国際金融市場として機能。しかし,サブプライムローン問題にはじまる2008年の世界金融危機のなかで,リーマン・ブラザース,メリルリンチ,モルガンスタンレー,バンクオブアメリカなど,大手証券会社,投資銀行が軒並み破綻,経営悪化,公的資金資本注入に追い込まれ,大恐慌以来の世界同時不況の発信地となり,国際金融市場のトップとしての地位は大きく揺らいでいる。
→関連項目ニューヨーク株式取引所|ロンドン株式取引所
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ニューヨーク金融市場
ニューヨークきんゆうしじょう
New York Financial Market
アメリカ国内市場というより国際金融機関としての性格が強く,次の5つの市場から構成されている。 (1) フェデラル・ファンド市場,(2) 銀行引受手形市場,(3) 財務省証券市場,(4) 譲渡可能 CD市場,(5) 商業手形市場。このうち外国銀行はフェデラル・ファンド市場および銀行引受手形市場に参加しており,各国通貨当局は,財務省証券市場で外貨準備を運用している。
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世界大百科事典 第2版
「ニューヨーク金融市場」の意味・わかりやすい解説
ニューヨークきんゆうしじょう【ニューヨーク金融市場】
ニューヨーク,マンハッタン島の南端の一角すなわちウォール街を中心とした地区は,アメリカ1国のみならず世界最大の金融センターであり,ロンドンをしのぐ規模の金融市場,証券市場および外国為替市場がある。ここにはアメリカの超大銀行や一流の証券会社の本店が軒を並べ,そのほかに諸外国の大銀行や大手証券会社の支店,子会社を含め莫大な数の金融関係企業が集中している。ニューヨークはまずアメリカ自体の金融センターであり,アメリカ中の資金需給が最終的にここに集まり,〈翌日もの〉というごく短期の金融から10年,20年という長期金融や債券発行まで,あらゆる種類の金融,資本取引が行われ,長短期にわたる各種の金利が形成される。
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世界大百科事典内のニューヨーク金融市場の言及
【国際金融市場】より
…国際間(クロスボーダー)の金融取引がかなりの規模で行われている市場をさす。金融期間の長短によって短期国際金融市場と長期国際金融市場とに分けられ,前者を狭義の国際金融市場,後者を国際資本市場とよぶ場合がある。 ある国の金融市場が国際金融市場であるためには,次のような条件をできるだけ多く満たす必要がある。(1)当該国の通貨が国際取引通貨,準備通貨として広く使われていること。そのためには通貨の金への交換性あるいは政治・経済力を背景として通貨の信認が得られていなければならない。…
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