チェスト

デジタル大辞泉 「チェスト」の意味・読み・例文・類語

チェスト(chest)

子供男性の膨らみのない胸部。→バスト
整理だんす。大型の収納箱。
[類語]胸部胸腔きょうこう胸郭きょうかく胸板むないた胸間きょうかん胸元むなもと胸先むなさき胸倉むなぐらふところ胸壁バスト

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精選版 日本国語大辞典 「チェスト」の意味・読み・例文・類語

チェスト

感動〙 (外来語かといわれるが語源未詳) 激励する時、高潮した時などに発するかけ声。江戸末期ごろ、鹿児島地方からはやった。
※くれの廿八日(1898)〈内田魯庵〉五「破鐘(われがね)声で『チェスト』と叫んだ」

チェスト

〘名〙 (chest)
① 胸。胸郭
貴重品などを入れる大型のふた付き箱。西洋風の整理だんす。

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百科事典マイペディア 「チェスト」の意味・わかりやすい解説

チェスト

西洋箪笥・整理用のひき出しを持つ収納家具チェスト・オブ・ドロワーズ〉を指すが,もとはヨーロッパ中世に使われたチェストと呼ばれる長方形蓋付きの箱が発祥とされる。16世紀末のイタリアに,これに短い脚とひき出しを備えたものがみられ,17世紀にはヨーロッパ各地に広まり,以降さまざまな様式で発展し生産された。バチェラーズ・チェスト(独身者の箪笥)というのは,家具備え付けの賃貸住宅に住む独身者がこれひとつ持てば収納の用が足りるという,小ぶりのチェスト・オブ・ドロワーズのこと。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チェスト」の意味・わかりやすい解説

チェスト
chest

長持,櫃のこと。上部にふたのある比較的大きな長方形の箱で,普通は木製であるが,金属性のものもある。上部の平らなものはときに腰掛や寝台としても用いられた。エジプト・ギリシア時代から衣類のほか重要なものを入れる家具として用いられ,中世末までヨーロッパの家庭の中心的な家具であった。表面を浮彫などの美しい意匠で飾った。 17世紀中期には,チェスト・オブ・ドロワースと呼ばれる引出しのあるたんす型が現れた。

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家とインテリアの用語がわかる辞典 「チェスト」の解説

チェスト【chest】

➀衣類などを整理するのに用いる引き出し式のたんす。
➁中世ヨーロッパにおいて用いられた、衣類などを収納する長方形のふた付きの箱。腰掛けやテーブルにもなる万能家具であった。

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世界大百科事典(旧版)内のチェストの言及

【簞笥】より

…つまり一種のユニット家具といえよう。【小泉 和子】
【西洋の簞笥】
 西洋で簞笥に該当する語は,チェスト・オブ・ドロワーズchest of drawersとよぶ整理用のひきだしを備えた収納家具と,これらを二つ重ねにしたチェスト・オン・チェストchest on chestとよぶものである。 ヨーロッパ中世には貴重品や衣類などを収納する家具として,日本の長持に相当するチェストchestとよぶ長方形蓋付きの箱があった。…

【机】より

…【小泉 和子】
[西洋の机]
 ヨーロッパの机は中世の修道院の写字室scriptoriumに備えられた写字台からはじまる。それは小型の(ひつ)(チェスト)に傾斜した蓋を取り付けたもので,それを開くと書きもの台となり,内部には筆記用具や紙料などを収納した。小型で携帯可能なことからポータブル・デスクとよばれた。…

【ひつ(櫃)】より

…長持も和櫃の一種であるが,近世以降は櫃というと葛籠(つづら)や行李(こうり)くらいの大きさの木製の物入れを指すようになった。【小泉 和子】
[西洋]
 西洋では物を収納する蓋付きの大型の箱を〈チェストchest〉とよび,収納家具の原初的な形態を示す。すでに古代エジプトやギリシアには表面を象嵌細工や塗料で装飾した芸術的にも質の高い作品がみられた。…

※「チェスト」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」