精選版 日本国語大辞典 「腰掛」の意味・読み・例文・類語
こし‐かけ【腰掛】
こし‐か・ける【腰掛】
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日本で使われていた昔の座具の総称。それらの多くは背もたれのない台形のもので、儀式に使われた。形によって倚子(いし)、床子(しょうじ)、草墪(そうとん)、胡床(あぐら)、兀子(ごっし)などがあり、身分により使用区分が決まっていた。そのなかで天皇、皇太子が用いたのが御倚子で、現在正倉院や清涼殿にその原形がみられる。それには背もたれがつき、西洋の椅子(いす)と同じ形であったため、椅子が輸入された明治以降、腰掛と椅子は同義語として使われるようになった。西洋では背もたれのつくものをチェアchair、ないものをスツールstoolとよび区別しているが、腰掛はスツールにあたると考えてよい。現在の腰掛には1人用の床几(しょうぎ)のようなものから、3~4人が掛ける縁台風のものまで種々ある。茶道では、招客が露地入りして腰掛けて待つ場所を腰掛、または腰掛待合という。
[小原二郎]
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