タマリンド(英語表記)tamarind
Tamarindus indica L.

デジタル大辞泉 「タマリンド」の意味・読み・例文・類語

タマリンド(Tamarindo)

コスタリカ北西部、ニコヤ半島の太平洋岸の町。プラヤタマリンドとよばれる海岸サーフィン適地として有名。野生保護区にも隣接し、エコツアーが盛ん。

タマリンド(〈スペイン〉・〈ポルトガル〉tamarindo)

マメ科の常緑高木。葉は長楕円形の小葉からなる羽状複葉淡黄色の花が集まって咲く。果肉清涼飲料緩下剤利用。熱帯アフリカ・インド原産。タマリンドの木。

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精選版 日本国語大辞典 「タマリンド」の意味・読み・例文・類語

タマリンド

〘名〙 (tamarindé)
輝ける闇(1968)〈開高健〉「並木道のタマリンドのたわわな葉繁りが原生林のようであった」
② ①の果実から採取した黒褐色で、ねばり気のある果汁。緩下剤として用いる。
植学啓原(1833)三「酒酸、酒石之酸、大抵諸果有之、答麻林度(タマリンド)、葡桃、為最多

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改訂新版 世界大百科事典 「タマリンド」の意味・わかりやすい解説

タマリンド
tamarind
Tamarindus indica L.

さわやかさを伴う酸の効いた果実を食用とするマメ科の常緑高木。樹高は20m以上にもなる。葉は淡緑色偶数羽状複葉であり,長さ10~20cmの筒状のソラマメに似た豆果は成熟しても裂開しない。外殻はもろく,種子を包む暗赤紫色の果肉があり,アンズの乾燥果に似た酸と甘みがある。アフリカ熱帯のサバンナ地域が原産とされる。属名はインドのナツメヤシの意で,その名の通り,古来よりインド,アラビアの地域では重要な果樹の一種である。さやの中の果肉部分のみを集めた,酸味のある硬いのり状か,さやのままのものが市場で販売されている。果肉を砂糖水で調合して清涼飲料,シャーベット,ジャム,さらには酒もつくる。子どもの間食としての生食も多い。種子の粉末を小麦粉の代用とする。幼植物,葉,花,若いさやは野菜として利用する。インドやインドネシアのやや乾燥した熱帯域では公園樹や街路樹に多く用いられている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タマリンド」の意味・わかりやすい解説

タマリンド
Tamarindus indica; tamarind

マメ科の常緑高木で,熱帯アフリカ,インド原産。街路樹として熱帯各地に植えられる。幹は高さ 25m,直径1~1.5mにもなり,葉は偶数羽状複葉で長さ 10~15cmある。4~5月頃,淡黄色の花を総状花序につける。莢は細長く秋冬の頃に茶褐色に熟し,果肉のパルプ質の部分に甘ずっぱみがあって清涼飲料に加えたり,香料,薬用に用いる。

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百科事典マイペディア 「タマリンド」の意味・わかりやすい解説

タマリンド

アフリカ原産とされるマメ科の常緑高木。葉は羽状複葉,花は淡黄色でやや蝶(ちょう)形をなし,長さ2.5cm,花弁には赤い条がある。長さ10〜20cmで肉質の豆ざやはやわらかく酸味があり,カレー料理の付合せや調味料に使うほか,果肉と種子から清涼飲料のタマリンドシロップを作る。

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世界大百科事典(旧版)内のタマリンドの言及

【豆】より

…アフリカのサバンナ林域にはアカシアAcaciaをはじめ多数のマメ科樹木が,分化しているが,それらのなかで食用とされるものがいくつかある。このサバンナ系のマメ科樹木で,インドや東南アジアに広く栽培されるものにタマリンドがあり,しばしば街路樹や公園樹とされるが,インドでは重要な食用樹でもある。成熟した豆果のさやは,クエン酸や糖を含み,飲料やカレー料理に利用される。…

※「タマリンド」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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