大学事典 「サント・トマス大学」の解説
サント・トマス大学[フィリピン]
サント・トマスだいがく
マニラにあるカトリック系私立大学。スペイン統治下の1611年にドミニコ会がカレッジとして創設し,19年から教皇庁の学位授与権を保有し,45年に大学に格上げされた。現存するアジア最古の大学とされている。サント・トマス大学より早く,フィリピンには1589年にイエズス会が創立したサン・イグナシオ・カレッジ(フィリピン)があり,1623年に大学に格上げされたが,1768年にイエズス会がフィリピンから追放された際に閉鎖された。サント・トマス大学は,当初おもに聖職者養成機関としてスペイン人のみを対象としたが,特権階級のフィリピン人,一般のフィリピン人へと門戸を広げた。フィリピン独立運動の闘士で国民的英雄でもあるホセ・リサール,J.は本学医学部の卒業で,これまで4人の大統領を輩出している。学生や教員などの大学関係者はトマシアン(フィリピン)(Thomasians)と呼ばれる。2013年の総学生数4万2271人。
著者: 中井俊樹
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報