サツマイナモリ(薩摩稲森)(読み)サツマイナモリ(英語表記)Ophiorrhiza japonica

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

サツマイナモリ(薩摩稲森)
サツマイナモリ
Ophiorrhiza japonica

アカネ科多年草。房総半島以西の暖地に分布し,常緑樹林下などに群生することが多い。茎の下部は地をはって根を出し,汚褐色の細毛がある。葉は長い柄で対生し,長卵形で先端がとがり全縁である。 11月~3月,枝先に集散花序をつくって花を開く。萼筒は短く5深裂し,花冠白色漏斗状で先が5裂し,内面に白毛が生える。花は乾燥すると赤色を帯びる。おしべは5本,花柱は1本で,柱頭は2裂する。包葉線形で細毛がある。和名薩摩イナモリソウの意。茎が木質化するためキダチイナモリの別名がある。別属のイナモリソウ Pseudopyxis depressaはやはり日本の暖地に生じる多年草であるが,本種に比して葉が広く,全体に草質で花は淡青色である。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android