ケンタッキー決議(読み)ケンタッキーけつぎ(英語表記)Kentucky Resolution

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ケンタッキー決議」の意味・わかりやすい解説

ケンタッキー決議
ケンタッキーけつぎ
Kentucky Resolution

1798年アメリカ,ケンタッキー州議会で決議された州立法。州住民の基本的人権を擁護する民主的法律。ケンタッキーは 92年州に昇格して連邦一員となったが,98年アメリカがフランスとの交戦時に「外人法および治安法」 (→治安法) を制定したとき,ケンタッキー州議会はこの2法が違憲であって無効であるとする T.ジェファーソン起草の決議を行い,州権論を強力に表現した。同年バージニア州も J.マジソン起草になる同様な決議をしている。

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世界大百科事典(旧版)内のケンタッキー決議の言及

【ケンタッキー・バージニア決議】より

…当時政権の座にあったフェデラリスツは,同党に批判的なリパブリカンの支持者に外国生れの新聞や雑誌編集者が多かったことから,政府批判を抑えるために〈外人法・治安法〉を,1800年の大統領選挙に合わせて成立させた。ケンタッキー決議はT.ジェファソンが起草しケンタッキー州議会によって採択され(第1次は1798,第2次は1799),バージニア決議はJ.マディソンが起草しバージニア州議会によって採択された(1799)。両決議は,政治的意見を法律上の処罰の対象にすることは,〈言論・出版・集会の自由および請願権〉を保障した憲法第1修正に違反するおそれがあることを指摘している。…

【州権論】より

…そこから,連邦政府の権限をできるだけ狭く解釈することが,州権論の憲法上の根拠となっている。 州権論の最初の公式の表明としては,フェデラリスツの政策に反対して,ジェファソンおよびマディソンが起草したケンタッキー決議およびバージニア決議がある。これらは,憲法を各州間の契約とみなし,連邦政府が委託された権限を超えて行動するときは,各州はその行為を無効とみなすことができるとした州権論の古典的表明といえよう。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」