クリストバライト(英語表記)cristobalite

デジタル大辞泉 「クリストバライト」の意味・読み・例文・類語

クリストバライト(cristobalite)

クリストバル石

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改訂新版 世界大百科事典 「クリストバライト」の意味・わかりやすい解説

クリストバライト
cristobalite

クリストバル石とも呼ぶ。化学組成SiO2鉱物で,Siを置換して少量のAl,Naが結晶構造中に入ると考えられている。高温型と低温型がある。室温では正方晶系,多くの場合175~250℃以上で立方晶系八面体,一般に細粒で1mm以下塊状。もろい。白色ないし乳白色,ガラス光沢。モース硬度6.5。比重2.33。主に安山岩流紋岩,粗面岩,黒曜岩などの火山岩中に産出する。以前は非晶質とされていたオパールは非常に細粒なクリストバライトの集合体。天然の高温型クリストバライトは常に低温型クリストバライトあるいは低温型石英に変わっている。世界各地に産出,日本では秋田県小坂鉱山不動沢のものが有名。
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化学辞典 第2版 「クリストバライト」の解説

クリストバライト
クリストバライト
cristobalite

SiO2.クリストバル石ともいう.ケイ酸鉱物の一種.低温型α-クリストバライトと高温型β-クリストバライトとがある.SiO2は1723 ℃ 以上で液体であり,β-クリストバライトは1723~1470 ℃ で安定であり,1470 ℃ 以下ではトリジマイトになるが,1470~265 ℃ でも準安定相として存在する.265 ℃ 以下ではα-クリストバライトに転移する.α-クリストバライトは正方晶系,格子定数 a0 = 0.497,c0 = 0.692 nm.硬度6~7.密度2.33 g cm-3.β-クリストバライトは立方晶系,格子定数 a0 = 0.709 nm.

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百科事典マイペディア 「クリストバライト」の意味・わかりやすい解説

クリストバライト

ケイ酸SiO2だけからなる鉱物で,石英トリディマイトとは多形関係。α(正方晶系),β(等軸晶系)の2態ある。αは常圧下で198〜240℃でβに変わる。αは八面体の微晶をなし,安山岩のすきまなどから産する。硬度6〜7,比重2.33,半透明でガラス光沢があり,白色または無色。βは1470〜1713℃で安定。

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世界大百科事典(旧版)内のクリストバライトの言及

【シリカ鉱物】より

…化学組成SiO2で示される無水ケイ酸鉱物の総称で,天然には5種の鉱物として産出する。すなわち,石英,トリディマイトtridymite,クリストバライトコーサイトスティショバイトである。これらの中で,石英が最も普通な鉱物で,トリディマイトとクリストバライトは酸性火山岩中に産する。…

【二酸化ケイ素(二酸化珪素)】より

…また合成により結晶および無定形,ガラス状などの二酸化ケイ素が得られる。結晶状態には石英,リンケイ石,クリストバライトの三つの変態がある。石英(水晶,メノウ,玉髄,フリントなどを含む)は無色または不純物により紫,褐色その他に着色している。…

※「クリストバライト」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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