日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
クララ(Assisiensis Clara)
くらら
Assisiensis Clara
(1194―1253)
キリスト教の聖女。アッシジ(イタリア)の貴族の子として生まれる。1210年の四旬節(しじゅんせつ)に聖フランチェスコの説教に接し、その精神に心酔して18歳で家を出て、最初の女弟子として誓願をたてた。師と共同でフランシスコ修道会第二会としてクララ会を創設、聖ダミアノ修道院のかたわらの小屋で清貧と苦行の生涯を送った。フリードリヒ2世の傭兵(ようへい)サラセン人の侵入を祈りと聖体で防いだと伝えられ、死後2年で列聖された。その後クララ会はきわめて厳格な観想団体へと発展していった。
[藤川 徹 2017年11月17日]
『上智大学中世思想研究所編・訳『キリスト教史 第4巻』新装版(1991・講談社/改訂版・平凡社ライブラリー)』
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