カニング(George Canning)(読み)かにんぐ(英語表記)George Canning

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

カニング(George Canning)
かにんぐ
George Canning
(1770―1827)

イギリスの政治家。1793年に下院議員となり、フランス革命に反対するピット(小)を支持した。1807年にポートランド内閣の外相となったが、陸相カースルレーと対立し辞任(1809)して以後は、インド担当相(1816~1821)を務めたものの、政局を指導する立場にはなかった。反動派とされたカースルレーの死(1822)後、再度外相となり、中南米諸国の独立を支持するなど、ウィーン体制を離れて自由主義的な外交政策(カニング外交といわれる)を展開した。これ以後トーリー党内閣の政策は内政、外交の両面で自由主義化し、1827年には辞任したリバプール首相の後任として、ホイッグ党の一部の協力も得て内閣を組織したが、4か月後に病没した。

青木 康]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android