カナッペ(読み)かなっぺ(英語表記)canapé フランス語

デジタル大辞泉 「カナッペ」の意味・読み・例文・類語

カナッペ(〈フランス〉canapé)

一口大に切った薄切りのパンをそのまま、あるいは軽く焼いて、卵・肉・小魚チーズイクラなどをのせたオードブルの一種。カナペ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「カナッペ」の意味・読み・例文・類語

カナッペ

〘名〙 (canapé) 焼くか揚げるかしたパンの薄片に、チーズ、イクラ、卵、小魚などの具をのせたもの。オードブルにする。
※第3ブラリひょうたん(1951)〈高田保アメリカテイとはいっても〈略〉カナッペが出たりコカコラが出たりしたに違いない」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カナッペ」の意味・わかりやすい解説

カナッペ
かなっぺ
canapé フランス語

オードブル(前菜)の一種で、語源はフランス語の長椅子(ながいす)からきている。長椅子のように長方形に切った食パンを、片面または両面をトーストしてバターを塗り、いろいろな食品を置いたり、塗ったりしたもの。

 現在はパンの薄切りだけでなく、クラッカーやパイ皮の上にも応用される。オープン・サンドイッチと違う点は、角形、丸形、三角形など好みの形につくられ、一口で食べられるようにつくることである。初めは別室で食前酒を出すとき、軽いつまみものとして供されたが、カクテルパーティーや各種の会食などに、盛合せ前菜として用いられるようになってきた。用いられる材料には次のようなものがある。

(1)ペースト状にして用いるもの レバーペースト、ハムペースト、ブルーチーズなど。

(2)卵類 ゆで卵をみじん切り、輪切りなどにして手軽に用いられる。

(3)薄切りにして用いるもの ロースハム、エビ、サラミソーセージ塩漬けの牛舌、鶏肉のロースト、からすみ、プロセスチーズなど。

(4)缶詰 キャビア、フォアグラ、イクラ、オイルサーディンなど。

(5)ピクルス類 キュウリ、オリーブ、アスパラガスなど。

 以上のような材料を単独あるいは組み合わせて使うと、色調にも変化のあるカナッペができる。盛付けには大皿を用いて、配色よく盛り合わせる。カナッペの味をさらにいっそう引き立てるために、生セロリ、赤カブ、パセリ、クレソン、レタスなどを配色よくあしらうとよい。これらをカナッペに添えて食べると味に変化をつけるとともに、より優美な盛合せカナッペとなる。

[小林文子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「カナッペ」の意味・わかりやすい解説

カナッペ
canapé(s)[フランス]

薄切りのパンにペーストを塗ったり,種々の材料をのせたもの。原語は〈長いす〉を意味するが,料理用語として用いられるようになったのは,パンがいすのように料理を上にのせることに由来するなどともいう。数種類を彩りよく盛り合わせてオードブルにしたり,カクテルパーティ用の軽い料理に用いたりする。食パンまたは黒パンを4~5mmの厚さに切り,上にのせる材料に応じて小型の正方形,長方形,ひし形,円形などにし,トーストにするか澄ましバターで揚げる。クラッカーやビスケットを用いてもよい。これに種々の風味をつけたバターやペーストを塗り,好みの材料をのせる。代表的な材料は,アンチョビー,キャビア,スモークサーモン,イクラ,オイルサーディン,ゆでたエビ,ゆで卵,チーズ,レバーペースト,レモン,パセリなどである。なお,フランス料理では野鳥類のローストを盛りつける時に用いるパン切れのことをもカナッペと呼ぶ。油で揚げるかトーストにし,内臓などを加えたペーストを塗り,ローストを盛りつける。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「カナッペ」の意味・わかりやすい解説

カナッペ

主として西洋料理の前菜とされるサンドイッチ風の料理。小型のパンの薄切やクラッカーの上に,キャビア,イクラ,サケなどの薫製,ハム,チーズ,キュウリ,アスパラガスなどを色どりよく盛りつけたもの。酒のつまみ,パーティーなどの軽食ともする。
→関連項目オードブルクラッカーサンドイッチ

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カナッペ」の意味・わかりやすい解説

カナッペ
canapé

欧米で前菜に用いられる料理。約 5mmの厚さのパンをごく小さく切り,そのまま,あるいは揚げるか焼くかして,バターを塗り,ペーストや肉の加工品,魚介類,野菜類などで飾ったもので,数種類取合せて供する。ルイ 14世・ルイ 15世時代では夜食や食事のないパーティの酒の肴 (さかな) で,正式な前菜ではなかったが,現在では正式な食事の前菜に,また,ティーパーティなどにも広く用いられている。パンの代りにビスケットやクラッカーなども用いる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典 「カナッペ」の解説

カナッペ【canapé(フランス)】

オードブルの一種。一口サイズの薄切りのパン・クラッカーなどの台の上に、種々の食材をのせたもの。チーズ・キャビア・スモークサーモン・種々のペースト類などがよく用いられる。

出典 講談社和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典について 情報

栄養・生化学辞典 「カナッペ」の解説

カナッペ

 通常オードブルとして供される料理で,薄切りのパンにチーズなどをのせたもの.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android