ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オモトショ」の意味・わかりやすい解説
オモトショ
Omotoso, Kole
ナイジェリアの小説家,劇作家,評論家。ヨルバ族出身。イバダン大学でアラビア文学を学び,イギリスのエディンバラ大学で博士号を取得後,1972年帰国。イバダン大学,イフェ大学でアラビア文学を教える。ウォーレ・ショインカやチヌア・アチェベの次の世代を代表する一人で,1975年のアフリカ人作家連盟の設立に尽力,土着文化の育成にも努めた。1980年代から 2003年までロンドンで出版された『ウェスト・アフリカ』誌に文芸コラムを連載,好評を得た。長くイギリスに住んだが,のち南アフリカ共和国の西ケープ大学やケープタウン大学で教鞭をとる。ナイジェリア初の推理小説『フェラの選択』Fella's Choice(1974),事実と虚構を織り交ぜた『夜明け前』Just Before Dawn(1988)など小説作品も多く,アレゴリーを多用している。相次ぐ軍事クーデターによる社会の腐敗を訴える『呪詛』The Curse(1976)などの戯曲のほかに,評論『アフリカ文学の発見』Discovering African Literature(1982),現代アフリカの危機をえぐる評論書『南への移動の季節』Season of Migration to the South: Africa's Crises Reconsidered(1994)などがある。(→アフリカ文学)
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