オイドブ(読み)おいどぶ(英語表記)Чойжамцыйн Ойдов/Choyzhamtsïyn Oydov

日本大百科全書(ニッポニカ) 「オイドブ」の意味・わかりやすい解説

オイドブ
おいどぶ
Чойжамцыйн Ойдов/Choyzhamtsïyn Oydov
(1917―1963)

モンゴル劇作家処女作『若者ドロードイ』(1944)に続いて『誕生日』(1946)、『私の喜び』(1946)、『道』(1947)、『幸福を求めたムンフー』(1947)があり、1949年の『嘘(うそ)つき大王』はモンゴル新文学最初の喜劇として有名である。さらに『ツォルモン』『ソロンゴ』を発表、またチミドЧойжилын Чимид/Choyzhilïn Chimid(1927―80)との合作による歌劇『幸福の道』(1951)と数編の短編がある。彼は、古きものと新しきものとの相克のなかで問題点を提起し、それらを社会主義者の倫理によって解決する期待を描いた。民族の古い伝統を物語る口承文芸から多く取材しているのが特色である。

[荒井伸一]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オイドブ」の意味・わかりやすい解説

オイドブ
Ojdov, Cojžamcijn

[生]1917
[没]1963
モンゴルの作家。モンゴル文学界を代表する才能豊かなすぐれた人材であったが,若くして世を去った。彼の文学者としての本領戯曲において最も顕著に発揮されている。 1947年にモンゴル人民共和国文芸賞であるチョイバルサン賞を得た作品『道』 Zamをはじめ,多くの戯曲を発表。モンゴル革命 (1921) 以後のモンゴル民衆の姿を革命前の民衆との対比のなかにとらえて,モンゴル人の生活を鋭く描くとともに,彼ら民衆の現在的幸福を,革命によって形成された一種の社会主義的人間像を通して表現した。

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