ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウシオグモ」の意味・わかりやすい解説
ウシオグモ
Desidae; marine spider
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節足動物門クモ形綱ウシオグモ科ウシオグモ属のクモの総称。この科は分類学上タナグモ科やミズグモ科として扱われることがある。海岸の潮間帯付近の岩のくぼみやサンゴ礁の間に単純な巣をつくる特異なクモ類で、満潮時には巣は海水中に没する。名はこのような生活に由来している。日本にはヤマトウシオグモDesis japonica1種だけが生息し、中部地方南岸、四国南岸、九州の天草(あまくさ)、南西諸島で発見されている。体長6ミリメートルでやや細長く、長いあごをもち、体色は黄褐色を帯びる。同属の種類は西太平洋の島々、ガラパゴス諸島、オーストラリア東岸、アフリカ東岸などに分布している。この類は、本来の水中生活者ではなく、二次的に水に接近して生活するようになったものと考えられる。
[八木沼健夫]
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