インデン

化学辞典 第2版 「インデン」の解説

インデン
インデン
indene

C9H8(116.16).コールタール成分の一つ.タールの中性油からピクラートとして分離される.また,テトラヒドロナフタレン蒸気高温シリカ-アルミナ触媒上を通して合成することもできる.融点-2 ℃,沸点182 ℃.0.9966.1.5763.多く有機溶媒可溶.きわめて不安定で,酸素を吸収して,過酸化物を与える.常温暗所でもすみやかに重合する.クマロン-インデン樹脂をつくるのに用いられる.[CAS 95-13-6]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「インデン」の意味・わかりやすい解説

インデン
いんでん
indene

コールタールの成分の一つ。タールの中性油の蒸留留出分に含まれる無色油状の物質

 水には溶けないが各種の有機溶媒によく溶ける。5員環の飽和炭素上の水素酸性であるので、ナトリウム塩C9H7Naを生成する。また二重結合は反応性に富み、重合をおこし、酸素を容易に吸収して過酸化物を生ずる。クマロンインデン樹脂の製造に利用される。

[徳丸克己]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「インデン」の意味・わかりやすい解説

インデン
indene

コールタール中に存在する無色の液体。沸点 182.8℃。水に不溶,普通の有機溶媒に可溶。重合しやすい。クマロン-インデン樹脂の合成原料である。

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