むくみ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「むくみ」の意味・わかりやすい解説

むくみ

身体の組織間隙(かんげき)に液体(組織液)がたまった状態をいう俗称で、医学用語では浮腫(ふしゅ)という。腫(は)れぼったい感じがして、圧迫すると圧痕(あっこん)をつくる。全身的な浮腫は、心臓性、腎臓(じんぞう)性、肝臓性、内分泌性、栄養障害性の浮腫に分けられ、局所性の浮腫は、血管やリンパ管の閉塞(へいそく)によるものと、血管運動性の浮腫などがある。

 治療は、それぞれの原因疾患に対する治療をはじめ、一般的にはナトリウムを制限し、水分の摂取量と尿量を同程度にとどめる。薬剤としては、心臓性浮腫には強心剤や利尿剤ネフローゼ症候群では利尿剤や副腎皮質ホルモンを用いる。内分泌性浮腫に対しては不足のホルモンを補う必要がある。また、腹水や胸水が貯留し、利尿剤などの薬剤だけで軽減しないときは、器械的に穿刺(せんし)して排除することもある。

 なお、水症、水腫、浮腫などの用語の使い分けは、臨床上かならずしも厳密には行われていない。また、妊婦の場合は妊娠中毒症の疑いがあるので医師に相談する。

[加藤暎一]

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妊娠・子育て用語辞典 「むくみ」の解説

むくみ

皮膚の下などに体液がたまってしまった状態です。ふだんでも疲れたときなど、手足がむくむこともありますが、妊娠中は血液量が増え、体の組織全体の水分が増えることから、むくみやすくなります。ただ、これが妊娠中の高血圧症妊娠高血圧症候群)につながることもあるので、朝になってもむくみがとれない、すねを押したときにくぼみが消えずに残っているなど、むくみが強いときは受診しておきましょう。

出典 母子衛生研究会「赤ちゃん&子育てインフォ」指導/妊娠編:中林正雄(母子愛育会総合母子保健センター所長)、子育て編:渡辺博(帝京大学医学部附属溝口病院小児科科長)妊娠・子育て用語辞典について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「むくみ」の意味・わかりやすい解説

むくみ

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百科事典マイペディア 「むくみ」の意味・わかりやすい解説

むくみ

水腫

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栄養・生化学辞典 「むくみ」の解説

むくみ

 →水腫

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世界大百科事典(旧版)内のむくみの言及

【水腫】より

…細胞間組織内または体腔内に異常に大量の組織液が貯留された状態をいう。浮腫や〈むくみ〉という言葉は皮下組織の水腫にのみ限って使用する場合もあるが,水腫とほぼ同様の意味で使われる場合もある。水腫は,血液中の水分が大量に組織内へ移動したとき,血管およびリンパ管内への組織液の灌流が妨げられたとき,組織の水分の吸着力が増加したときにみられる。…

※「むくみ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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