とよ(読み)トヨ

デジタル大辞泉 「とよ」の意味・読み・例文・類語

と‐よ

[連語]格助詞「と」+間投助詞「よ」》
(多く「だとよ」の形で)他から伝え聞いた意を表す。揶揄やゆする意を含むこともある。…ということだよ。…だそうな。「夜中地震があったんだとよ
「あれは鶴賀新内元祖家元だ―」〈滑・浮世風呂・四〉
「と」の上の引用の内容に対して、念を押す意を表す。…ということだよ。…と思うよ。
「やよやまて山ほととぎすことづてむわれ世の中にすみわびぬ―」〈古今・夏〉
(「かとよ」の形で)不確かな断定を表す。…と思うがなあ。…だろう(か)。
「また、同じころか―、おびたたしく大地震おほなゐふること侍りき」〈方丈記
感動詠嘆を表す。…ということよ。
「さまし―。さまであるべきことか」〈宇治拾遺・一〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「とよ」の意味・読み・例文・類語

と‐よ

(格助詞「と」に間投助詞「よ」の付いたもの)
① 「…と思うよ」「…ということだよ」の意を表わす。
万葉(8C後)二〇・四四〇五「吾が妹子がしぬひにせよと着けし紐糸になるとも吾は解かじ等余(トヨ)
② 感動を表わす。
狭衣物語(1069‐77頃か)三「さらに思えぬぞとよ。たしかにの給へ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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