日本大百科全書(ニッポニカ) 「せたな(町)」の意味・わかりやすい解説
せたな(町)
せたな
北海道南西部、檜山(ひやま)振興局管内の久遠(くどお)郡にある町。渡島(おしま)半島に位置する。2005年(平成17)、瀬棚(せたな)郡瀬棚町、北檜山町(きたひやまちょう)、久遠郡大成町(たいせいちょう)が合併して成立。北部の瀬棚地区は狩場(かりば)山地の山々がそびえ、南部の大成地区には遊楽部(ゆうらっぷ)岳や白水(しろみず)岳などが連なる。その間を一級河川後志利別(しりべしとしべつ)川と太櫓(ふとろ)川が西に流れ、日本海に注ぐ。西側は日本海に面して急峻な海岸が続く。南北に走る国道229号(檜山国道)と後志利別川沿いに走る国道230号が、北檜山市街で会合する。瀬棚港からは奥尻島(おくしりとう)へのフェリーが就航。国鉄瀬棚線が通ったが1987年(昭和62)廃止された。農業は水稲を中心にジャガイモ、メロン、シイタケ、花卉(かき)などの栽培が行われ、肉牛、ブタ、ニワトリなどの畜産や酪農も盛ん。漁業はホッケ、ウニ、アワビ、イカ、ヒラメなど沿岸ものが中心で、近年は大成水産種苗育成センターの設立など、つくり育てる漁業への転換に力を入れている。2004年(平成16)には日本初の洋上風力発電装置「風海鳥(かざみどり)」が本格稼動を開始。北部の狩場山から海岸にかけては狩場茂津多(もった)道立自然公園に、南部の海岸線の一部は檜山道立自然公園に指定されている。日本の公認女医第1号・荻野吟子(おぎのぎんこ)が医療に従事した地としても知られる。面積638.68平方キロメートル、人口7398(2020)。
[編集部]