え・エ・ゑ・ヱ(読み)え

精選版 日本国語大辞典 「え・エ・ゑ・ヱ」の意味・読み・例文・類語

え【え・エ・ゑ・ヱ】

[1] 【え・エ】五十音図の第一行第四段(ア行エ段)と第八行第四段(ヤ行エ段)とにおかれ、五十音順では第四位のかな。いろは順では第三十四位で、「こ」の次「て」の前に位置する。定家かなづかいの流では、「ゑ」を「奥のゑ」と呼ぶのに対して「中のえ」と呼んでいる。現代標準語の音韻では、五母音の一つ、e にあたる。前舌で中開きの平唇母音。現代かなづかいでは、助詞の e は「え」でなく「へ」と書くのを本則とする。小文字で「つぇ」「ふぇ」のように方言音、外来語音を表わすことがある。「え」の字形は、「衣」の草体から出たもの、「エ」の字形は「江」の右部三画をとったものである。ローマ字では e を当てる。
[2] 【ゑ・ヱ】五十音図で第十行第四段(ワ行エ段)におかれ、五十音順で第四十六位(同字の重複を除いて)のかな。いろは順では第四十三位で、「し」の次「ひ」の前に位置する。定家かなづかいの流では、「奥のゑ」と呼んでいる。現代標準語の音韻では、「え」と同じく e にあたり、発音上「え」との間に区別がない。このかなは、現代かなづかいでは用いられない。「ゑ」の字形は、「恵」の草体から出たもの、「ヱ」の字形は、「慧」の中画という見方もあるが、「恵」の草体で、末筆の形を固めたものと思われる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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