20世紀西洋人名事典 「W. フォークト」の解説
W. フォークト
Walther Vogt
1888 - 1941
ドイツの動物発生学者。
元・チューリヒ大学教授,元・ミュンヘン大学教授。
チューリヒ大解剖学教授、ミュンヘン大解剖学教授を歴任。それまで主流であった比較発生学を越えるものとして、自ら考案した局所生体染色法を両生類胚に適用し、膨大な実験を基に、原腸陥入の際の細胞の移動の様相を明らかにした。また、原腸陥入前の胚のどの位置の細胞が将来のどの器官になるかを示した原基図を作製し、W.ルーにより提唱された発生機構学の考えによる研究を推し進めた。細胞分化の研究や形態形成を動的にとらえようとする研究等に現在でも多大な影響を与えている。
W. フォークト
Woldemar Voigt
1850.9.2 - 1919.12.13
ドイツの理論物理学者。
元・ケーニヒスベルク大学教授,元・ゲッティンゲン大学教授。
ライプツィヒ生まれ。
結晶物理学の創設者。ケーニヒスベルク大で岩塩の弾性係数の研究により学位取得後、1875年同大学教授を経て、1883年ゲッティンゲン大理論物理学教授。特に結晶の物理的性質を研究して結晶物理学の基礎を築いた。又熱学力、伝磁気学の数理的展開、粘弾性の研究に努力した。
出典 日外アソシエーツ「20世紀西洋人名事典」（1995年刊）20世紀西洋人名事典について 情報