SAT(アメリカの大学進学共通試験)(読み)えすえーてぃー

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

SAT(アメリカの大学進学共通試験)
えすえーてぃー

アメリカの大学に進学を希望する者を対象とした共通適性試験。Scholastic Assessment Testの略称。地域や学校間で差の大きい生徒の学力を、一定の基準のもとで評価する目的で実施される標準試験で、この試験における得点が大学受験の合否を決める。アメリカでもっとも広く採用されている大学進学能力試験で、大学や高等教育機関によって1900年に設立された非営利法人カレッジボードCollege Board(大学入学試験委員会、CEEB:College Entrance Examination Board)が主催し、1926年にScholastic Aptitude Testとして開始された。同じような標準試験として、ACTがあり、アメリカの大学進学希望者は、いずれかの結果を提出する必要がある。SATは年7回実施され(日本国内でも受験可)、受験回数に制限はなく、複数回受験した場合には得点の平均値が受験結果になる。

 試験内容は以下の2種。

(1)SAT-Reasoning Test
Critical Reading(英語の読解問題と文章完成問題)、Math(Mathematics、数学)、Writing(小論文と文法)の3教科の試験で、各教科800点ずつの合計2400点満点。通常SATといえばこちらをさす。

(2)SAT-Subject Tests
語学、歴史、物理生物化学などの20科目から最大3科目を選択して受験する科目別試験で、通常、大学ごとに科目が指定されている。各教科ともに800点満点。

 アメリカのハイスクールでの学習内容に基づいた試験であるため、SAT-Reasoning Testでは英語の高度な読解力が求められ、留学生にとっては高いハードルとなる。また、SAT-Subject Testsはアメリカで英語教育を受けていない者にはハンディを伴う内容であるため、留学生に対しては免除している大学が多くみられる。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例