黒河内村(読み)くろごうちむら

日本歴史地名大系 「黒河内村」の解説

黒河内村
くろごうちむら

[現在地名]長谷村大字黒河内

村の西山麓を三峰みぶ川が北流し、北は溝口村、南は黒川を境に市野瀬村に接し、山麓沿いに黒河内・黒川・泉原いずみはらなどの集落がある。東は巍峨たる山岳をもって甲斐国に接する。

吾妻鏡」の文治二年(一一八六)三月一二日条の「乃貢未済庄々注文」の中に諏訪上下社領として「黒河内藤沢」とみえ、同一一月八日条の源頼朝の下文にも「黒河内藤沢」とみえる。これは黒河内と藤沢の二つの地方の意と考えられるが、黒河内の境域についてはつまびらかではない。しかし北流する三峰川の谷一帯を含んでいたものと考えられる。嘉暦四年(一三二九)三月の諏訪社上社の大宮御造栄之目録(諏訪大社上社文書)には「次三間廊、是伊那溝口・黒河内之造役也」とある。平安時代後期から諏訪社領として諏訪大社上社の史料に散見する村である。

寺室てらむろの曹洞宗宝立山大揚たいよう寺の境内には、この地の旧族黒河内氏の先祖といわれる黒河内山城守朝光(一四一五年没)・同兵部正成らの供養の宝篋印塔三基、寺中の畑より出土の五輪塔三基等がある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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