鯉神社(読み)こいくいじんじや

日本歴史地名大系 「鯉神社」の解説

神社
こいくいじんじや

[現在地名]倉敷市矢部 宝地

吉備津神社の西方約二キロ、足守あしもり川右岸の小丘に鎮座。古代よりの山陽道の傍らにあり、岡山市新庄下の造山しんじようしものつくりやま古墳、総社市三須の作山みすのつくりやま古墳、楯築たてつき神社跡などともほど近い。今日、社伝では祭神は夜目山主命と夜目麿命、相殿に狭田安是彦、千田宇根彦を配す。矢部やべ地域の産土神にして、吉備津神社の末社七二社の一つ。旧村社。「備中誌」は、鯉喰御前こいくいおんさき社とよび、祭神を楽楽森彦命と温羅命とする。当社の由緒・祭神について諸説があるが、いずれも大吉備津彦命の吉備平定、温羅うら征伐説話にちなむ。

社伝では、大吉備津彦命の軍勢が楯築山で温羅の先兵を破り、矢部に進んで一宿したとき、日差ひさし山から矢部辺りの地主神であった夜目山主命とその子の夜目麿命が味方につき、その家臣の安是彦・宇根彦に命じて前の入江に鵜を放って鯉をとり、御饗前に奉り、翌日の赤浜における戦闘で大功をたてた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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