鬼の念仏(読み)オニノネンブツ

デジタル大辞泉 「鬼の念仏」の意味・読み・例文・類語

おに‐の‐ねんぶつ【鬼の念仏】

大津絵画題の一。鬼が法衣を着て、かね撞木しゅもくを持った姿を描く。これを室内に貼っておくと、子供夜泣きがなおるという言い伝えがあった。

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精選版 日本国語大辞典 「鬼の念仏」の意味・読み・例文・類語

おに【鬼】 の 念仏(ねんぶつ)

① 無慈悲、冷酷な人が、表面だけ神妙にふるまうこと。また、柄にもなく殊勝にふるまうこと。鬼の空念仏
浄瑠璃役行者大峯桜(1751)五「狼狽廻(うろたへまは)るを引捕へ、二人を二人が引分けて、鬼の念仏(ネンブツ)南無阿彌陀、堪(たま)りも敢ず首打落し」
② 大津絵の画題の一つ。法衣を着た鬼が傘を負い、奉加帳、鉦(かね)撞木(しゅもく)を持っている図柄。この絵を壁に張っておくと子供が夜泣きをしなくなるという。
※浄瑠璃・傾城反魂香(1708頃)上「姿は沙門頭は鬼神、おにの念仏かみくだく」

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ことわざを知る辞典 「鬼の念仏」の解説

鬼の念仏

冷酷残忍な人がうわべだけ慈悲深くみせかけること。また、柄にもなく殊勝にふるまうことをひやかしていう。

〔異形〕鬼の空念仏

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