高縄山(読み)たかなわさん

改訂新版 世界大百科事典 「高縄山」の意味・わかりやすい解説

高縄山 (たかなわさん)

愛媛県の高縄半島西部,松山市の旧北条市にある山。標高986m。山頂付近は安山岩でビュート状にとがり,西斜面は壮年期の開析谷,東側は緩斜面となっている。古くはこの山を境に伊予国を二つに分け,東を道前,西を道後とよんだ。山頂付近に河野氏高縄城跡がある。南北朝期に湯築城(現,松山市)に移るまでその本拠であり,そののちも周辺に支城を擁し,河野氏の重要拠点であった。米之野(こめのの)から山頂の高縄寺まで車道が通じる。高縄寺は天智天皇のとき創建と伝え,戦国期に河野氏により現在地に移されたという。頂上付近はブナの自然林や老杉の林など植生は変化に富み,眺望もよい。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「高縄山」の意味・わかりやすい解説

高縄山
たかなわさん

愛媛県北部,高縄半島西部にある山。標高 986m。松山市に属し,奥道後玉川県立自然公園中心一つ中世には伊予水軍河野氏の居城があった。山腹から山頂にかけてブナの原生林があり,山頂近くの巨杉の間に高縄寺がある。

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