高根町(読み)たかねちよう

日本歴史地名大系 「高根町」の解説

高根町
たかねちよう

面積:六四・六六平方キロ(境界未定)

郡の中央部に位置し、北はあか岳頂上から南東に長野県南佐久みなみさく南牧みなみまき村、東は須玉すたま町、西は大泉おおいずみ村と長坂ながさか町、南は須玉町と接する。八ヶ岳の南東麓に南北に長い形をしている。赤岳頂上の標高二八九九・二メートルからはと川沿岸の標高六〇〇メートル付近まで南面傾斜をなし、標高差が大きい。赤岳に源を発する大門だいもん川は長野県境を下り、小深沢こふかさわ川・久保くぼ川を集めて南流し須玉川となる。途中浅川あさかわ地内に昭和六一年(一九八六)多目的ダム大門ダムが建設された。川俣かわまた川は赤岳より発し、東沢ひがしざわ川・西沢川を集めて長沢ながさわ北部で大門川と合流。西にし(雲雀沢川)は北部から沢に発して村山六ヵ村むらやまろつヵむら堰の流末を合せ須玉町に下る。あぶら川は八ヶ岳山麓広原尻ひろはらじりより発して大泉村との境を南流し五町田ごちようだ地内でかぶと川に合流。甲川はかぶと岩から発してほうき沢・いずみ川の水を合流して南下、五町田・上黒沢かみくろざわ・下黒沢の中央を貫流して須玉町若神子わかみこに入り鳩川と合流する。八ヶ岳山麓では岩石の割れ目や多孔性地層から浸透した水が伏流水となり、標高一五〇〇―一〇〇〇メートル付近と八〇〇―七〇〇メートル付近で地表に湧出する泉が数多くある。これらの湧水や諸河川が高原を南下しながら住民の生活用水となり、水田を潤して県下有数の穀倉地帯を形成した。町の東部を国道一四一号が南北に縦断、標高一二五〇―一三五〇メートル付近をJR小海線が南西から北東に横断し、その交差点近くに清里きよさと駅がある。県道長坂―高根線、県道高根―富士見ふじみ(八ヶ岳横断道)、県道須玉―八ヶ岳公園線が通る。標高一二五〇メートル以上の山岳地帯は八ヶ岳中信高原国定公園に指定されている。町名は昭和二九年四ヵ村合併に際し、八ヶ岳山麓に広がる高原にたくましい根や枝を張って美しい花を咲かせることを願って命名された。

旧石器時代から平安時代以降までの遺跡が確認されるが、縄文時代と平安時代がほとんどである。旧石器時代の遺跡は近年おかの公園や清里の森エリア内で数ヵ所が確認され、標高一一〇〇―一二〇〇メートルに位置し、さらに多くの遺跡が確認される可能性もあり、現在では当町域が県内で最も良好な分布エリアといえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報