高宗(中国、南宋)(読み)こうそう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「高宗(中国、南宋)」の意味・わかりやすい解説

高宗(中国、南宋)
こうそう
(1107―1187)

中国、南宋(なんそう)初代の皇帝(在位1127~62)。諱(いみな)は構、字(あざな)は徳基(とくき)。北宋第8代徽宗(きそう)の第9子で、兵馬大元帥として江南(こうなん)で金(きん)軍の南侵を防いでいたが、1127年に都の開封(かいほう)が陥落し、徽宗、欽宗(きんそう)らが捕らえられたため、南京応天府(宋州)で帝位についた。即位後も金軍との対立が続き、一時は韓世忠(かんせいちゅう)、張浚(ちょうしゅん)、岳飛(がくひ)らが華北奪還を図るなど、主戦派が優勢となった。しかし38年に行在(あんざい)(天子の仮宮)を臨安(杭州(こうしゅう))に移してのちは、もっぱら宰相秦檜(しんかい)の和平論に従い、41年、金との間に屈辱的な和議を結んだ。在位中、官制改革や経界法などの租税政策がいちおうの成果をあげ、江南の開発も進んで南宋政権は安定した。

[島居一康]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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