飛退(読み)とびのく

精選版 日本国語大辞典 「飛退」の意味・読み・例文・類語

とび‐の・く【飛退】

〘自カ五(四)〙
① 急に身をかわして、その場から離れ、よける。
太平記(14C後)一「打払ては退(しりぞき)打流ては飛のき」
多くの中で特にすぐれている。傑出する。
洒落本・青楼小鍋立(1802)成三草庵酒盛「表具屋で月外をいはにゃならんだ中で是と飛のいたもねへ」
③ 思わず飛んでよけるほど驚く。たまげる。
随筆西遊記(新日本古典文学大系所収)(1795)九「大かた五音相通にて飛のきたる事にはあらず」

とび‐しさ・る【飛退】

〘自ラ四〙 (「とびしざる」とも) うしろへとびさがる。とびしりぞく。とびすさる。
幸若山中常盤(室町末‐近世初)「おとりあかりとびしさり、ちゃうちゃうと切て御覧ずれば」
※或る女(1919)〈有島武郎〉後「倉地の熱気の強い胸許から飛びしざると」

とび‐すさ・る【飛退】

〘自ラ五(四)〙 (「とびずさる」とも) =とびしさる(飛退)
浮世草子・色道大皷(1687)四「如来御前でさあ偽なくかたり給へといへば、正直正路に手を合て、飛すさり」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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