飛蝗・蝗(読み)ばった

精選版 日本国語大辞典 「飛蝗・蝗」の意味・読み・例文・類語

ばった【飛蝗・蝗】

〘名〙 バッタ(直翅)目バッタ科に属する昆虫の総称。体は一般に細長い円筒形で、二対のはねと三対のあしを備える。前ばねは革質であるが後ろばねは薄くて飛行に適し、扇形に広がる。著しく発達した後肢でよく跳躍し、多くははねと後肢をすり合わせて音をたてる。頭頂に短い触角、一対の複眼と三個の単眼をもち、雌は腹端に短い産卵器をもつ。大部分の種類は土中に産卵し、幼虫は不完全変態をして成虫となる。幼虫・成虫ともに草食性で、イネ科植物の害虫となるものが多い。特に、大群をなして移動する飛蝗(ひこう)農作物に大害を与える。トノサマバッタショウリョウバッタ・クルマバッタ・イナゴなど日本には二四種が分布する。《季・秋》
浄瑠璃・長町女腹切(1712頃)下「ばった草葉に置く霜の」
[補注]ショウリョウバッタをいうハタハタの変化した語か。

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