飛揚・飛颺(読み)ひよう

精選版 日本国語大辞典 「飛揚・飛颺」の意味・読み・例文・類語

ひ‐よう ‥ヤウ【飛揚・飛颺】

〘名〙
① 飛びあがること。高く天翔(あまが)けること。空中にひるがえること。また、精神、心などが空をかけめぐるように自由自在に動くこと。
※性霊集‐一(835頃)遊山慕仙詩「飛雲幾生滅、靄々空飛揚」
※保元(1220頃か)中「涙欄干として、魂飛揚すと見えてあはれなりし有様なり」 〔楚辞‐九歌・河伯
② とびちること。秩序もなく乱れること。かけめぐること。落ち着かないこと。
※古活字本毛詩抄(17C前)四「荼は軽て飛揚して軽い物ぢゃぞ」 〔荘子‐天地
③ 高い地位にのぼること。
※福翁百話(1897)〈福沢諭吉〉五〇「学友は社会の表面に飛揚(ヒヤウ)する者多くして」 〔北史‐斉本紀上・武帝
④ 剣神の名。転じて、切れ味のすぐれた剣。名剣。
菅家文草(900頃)七・右大臣剣銘「暁霜三尺 秋水一条 利器惟服 飛揚在腰」 〔太平御覧兵部・剣下〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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