霰降(読み)あられふり

精選版 日本国語大辞典 「霰降」の意味・読み・例文・類語

あられ‐ふり【霰降】

あられの降る音がやかましい意で、「かしまし」と同音を含む地名鹿島」にかかる。あられふる。
万葉(8C後)七・一一七四「霰零(あられふり)鹿島の崎を波高み過ぎてや行かむ恋ひしきものを」
② あられの降る音を「きしきし」と聞いたところから、同音を含む地名「きしみ」にかかる。「きしむ」の意とも、「鹿島」に音がかようとも説かれる。あられふる。
※万葉(8C後)三・三八五「霰零(あられふり)きしみが岳(たけ)を険(さが)しみと草取りかなわ妹(いも)が手を取る」
③ あられの降る音を「とほとほ」と聞いたところから、同音の「遠(とほ)」にかかる。あられの降る音という続きで、「おと」のつまった形「と」にかかるとする説もある。
※万葉(8C後)七・一二九三「丸雪降(あられふり)遠江(とほつあふみ)のあど川やなぎ刈れどもまたも生(お)ふといふあど川やなぎ」

あられ‐ふる【霰降】

仙覚抄(1269)「此歌肥前国風土記に見えたり。〈略〉阿羅礼符縷(アラレフル)杵島(きしま)が丘をさがしみと草とりかねて妹が手をとる」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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