雲峰寺(読み)うんぽうじ

日本歴史地名大系 「雲峰寺」の解説

雲峰寺
うんぽうじ

[現在地名]塩山市上萩原 裂石

おも川上流部、国道四一一号(青梅街道)から大菩薩だいぼさつ峠へ向かう登山道の入口にある。裂石山と号し、臨済宗妙心寺派。本尊は十一面観音裂石さけいし観音ともよばれた。天平一七年(七四五)行基草創と伝え、大石が二つに割れてそのなかから一夜にして生え出た萩の木を用い、行基が刻んだ観音像を安置したのが寺の始まりとも伝える。もとは真言宗もしくは天台宗であったという。絶海中津恵林えりん寺住職であった折に雲峰寺観音堂改修の浄財勧募を行っており(「絶海録」甲州裂石観音自在堂化疏)、この時すでに禅宗寺院で、恵林寺末であったと推定される。甲府鬼門にあたることから武田氏の祈願所とされたというが(甲斐国志)、天文年間(一五三二―五五)の火災で伽藍焼失住持が諸国に勧化して現在の伽藍を完成した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

デジタル大辞泉プラス 「雲峰寺」の解説

雲峰寺

山梨県甲州市にある臨済宗妙心寺派の寺院。745年開創と伝わる。本堂庫裏仁王門などが国の重要文化財に指定されている。

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