関東評定伝(読み)かんとうひょうじょうでん

改訂新版 世界大百科事典 「関東評定伝」の意味・わかりやすい解説

関東評定伝 (かんとうひょうじょうでん)

著者,成立年代ともに不詳。2巻。《関東評定衆伝》《関東評定家伝》ともいう。1225-84年(嘉禄1-弘安7)につき(ただし1226-31年なし)1年ごとに,その年のおもな事件を冒頭に載せ,執権評定衆,引付衆の現任者を列記し,あわせて彼らの公武官職異動略歴を記したもの。鎌倉幕府執権政治の中核たる幕府意思決定機関の人員構成の変遷を知る貴重な史料で,《群書類従》に収載されている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「関東評定伝」の意味・わかりやすい解説

関東評定伝
かんとうひょうじょうでん

『関東評定衆伝』ともいう。嘉禄1 (1225) 年から弘安7 (84) 年にいたる,鎌倉幕府の執権評定衆引付衆任命官歴を記したもの。2巻。作者,成立年代未詳。幕府の執権体制下の政治は,合議制であったから,それぞれの合議機関の構成と変遷とを知るうえで,貴重な史料。『群書類従所収

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「関東評定伝」の意味・わかりやすい解説

関東評定伝
かんとうひょうじょうでん

鎌倉幕府評定所の構成を年ごとに示した記録。『関東評定衆伝』ともいう。全2巻。編者、成立年代ともに不明。第1巻は1225年(嘉禄1)より63年(弘長3)まで、第2巻は1266年(文永3)より84年(弘安7)までの執権(しっけん)、連署(れんしょ)、評定衆、引付衆(ひきつけしゅう)の補任(ぶにん)を記載して、彼らの略伝を付しており、さらにその年の重要事件を注記している。この時期の鎌倉幕府の人事を知るうえでの好史料である。『群書類従』補任部所収。

[伊藤喜良]

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