開放経済・封鎖経済(読み)かいほうけいざいふうさけいざい(英語表記)open economy,closed economy

日本大百科全書(ニッポニカ) 「開放経済・封鎖経済」の意味・わかりやすい解説

開放経済・封鎖経済
かいほうけいざいふうさけいざい
open economy,closed economy

外国と商品や資本が自由に流通しうるような経済体制を開放経済といい、そのような流通を禁止または規制している経済体制を封鎖経済という。日本経済は、第二次世界大戦中から戦後にかけて、国際間の取引に厳しい制限が加えられた封鎖経済体制のもとに置かれたが、経済の復興に伴ってしだいに貿易外国為替(かわせ)取引に対する制限が緩和され、開放経済体制移行した。すなわち、1952年(昭和27)にはIMF国際通貨基金)、55年にはガットにそれぞれ加盟して、63年と64年には、国際収支上の理由から輸入や為替取引に制限を加えないというガット11条国およびIMF8条国に移行、さらに64年には資本取引の自由化を目ざすOECD(経済協力開発機構)にも加盟して、本格的な開放経済体制に入った。開放経済体制のもとでは、一国経済は世界経済の動向によって左右される(たとえば景気変動の同時性)とともに、自国の行動が世界経済にも影響を及ぼしうるから、国際協調に努めることが肝要である。

志田 明]

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