開拓使公文鈔録(読み)かいたくしこうぶんしようろく

日本歴史地名大系 「開拓使公文鈔録」の解説

開拓使公文鈔録
かいたくしこうぶんしようろく

六冊 札幌本庁記録局編輯課編 明治一二―一五年刊

解説 明治二―一〇年の公文を制旨・稟裁・申奏および諸官省移文の四種に分けて編集・収録したもの。制旨は中央政府の意思を伝えるもの、稟裁はその決裁を得たもの、申奏は開拓使施政の中央政府への報告として重要であり、開拓使ではそれぞれ制旨録(正・副・抄本合計一二冊現存)、稟裁録(四三冊)、申奏録(四一冊)に編集し、裁録と名付けられた。裁録は重複分を除き「北海道立文書館史料集」第一―一三に収録。諸官省移文は、関係官庁間の照会・届書・通達など細かなものである。いずれも事務上の便宜のため刊行されたが、それぞれに遺漏欠落もあるため、十全を期するには「開拓使日誌」「法令全書」をはじめ、開拓使公文録ほかの原文書にあたらざるを得ない。

構成 明治二―四年公文鈔録(同一五年刊)、明治五―六年公文鈔録(同一五年刊)、明治七年公文鈔録(同一四年刊)、明治八年公文鈔録(同一四年刊)、明治九年公文鈔録(同一三年刊)、明治十年公文鈔録(同一二年刊)。「布令録」とともに編集されたが、資料一切は東京出張所から送付を受けた。刊行地は東京と思われる。部数最初予定では一〇〇部、そのうち三〇部は諸省配付用および東京出張所備付け用とされた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報