門貫・門貫山(読み)かどのき・かどのきやま

日本歴史地名大系 「門貫・門貫山」の解説

門貫・門貫山
かどのき・かどのきやま

梅北うめきた町の門貫を遺称地とする。みなみ郷のうちで、門木とも記される。建暦三年(一二一三)四月の僧智恵愁状案(長谷場文書)に「南郷内門貫山寺薗壱所」とみえる。同状案によれば、この薗は平季基の子兼輔が竹林房なる僧に与えた地で、竹林房墓所の前に位置していた。その後同房弟子の成覚房快禅・成鎌房兼禅・快賢香禅房、その子比丘尼妙法へと相伝された居薗であった。建久八年(一一九七)には藤井正弘が薗一ヵ所・水田を借受けてしばらく居住した(同年三月二日「藤井正弘薗田借文案」同文書)。だがその後なんらかの紛争があったとも考えられ、承元二年(一二〇八)三月三日付の千世松母堂屋敷を元のごとく安堵するよう南郷沙汰人に命じた地頭所下文案(同文書)も、一連の手継文書中に納められている。同年三月一八日には同園とみられる五代相承の「こかうせうはうのゐその」ならびに南面の田薗が、平氏女から「かわうの御はう」に八〇疋で売渡された。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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