長島(三重県)(読み)ながしま

日本大百科全書(ニッポニカ) 「長島(三重県)」の意味・わかりやすい解説

長島(三重県)
ながしま

三重県北部、桑名郡(くわなぐん)にあった旧町名(長島町(ちょう))。現在は桑名市の東部を占める地域。旧長島町は、1954年(昭和29)町制施行。1955年に楠(くす)村、1956年に伊曽島(いそじま)村を編入。2004年(平成16)多度(たど)町とともに桑名市に合併。木曽(きそ)川と揖斐(いび)川に挟まれたデルタの地域で、名称は、かつて七つの輪中(わじゅう)に分かれていたころ七島(ななしま)とよばれていたのが訛(なま)ったものという。1959年の伊勢湾台風(いせわんたいふう)で全地域が水没し382人の命が失われたのち、地域全体を囲む堤防が完成し一つの輪中となった。JR関西本線、近畿日本鉄道名古屋線、国道1号、23号(名四国道)、東名阪自動車道が通じ長島インターチェンジがある。2002年には伊勢湾岸自動車道の湾岸長島インターチェンジが開設された。1570年(元亀1)願証(がんしょう)寺を中心に長島一揆(いっき)が起こり、近世長嶋藩城下であった。全地域が水郷県立自然公園、国営木曽三川(さんせん)公園域で、野鳥の天国として知られる。水田、野菜、花卉(かき)栽培、養魚業などが盛ん。

[伊藤達雄]

『伊藤重信著『長島町誌』2冊(1974、1978・長島町)』

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