鎰役(読み)カギヤク

デジタル大辞泉 「鎰役」の意味・読み・例文・類語

かぎ‐やく【×鎰役/×鉤役】

《「かぎ」は鍋・釜を掛けるところから世帯の意》中世近世に世帯を単位に課された税。竈役かまどやく

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「鎰役」の意味・わかりやすい解説

鎰役
かぎやく

鎰とは鍋釜(なべかま)をかける自在鉤(じざいかぎ)のことで、鎰役とは各家の竈(かまど)に対する課役である。中世では棟別(むねべつ)に課役を徴収することが多かったが、百姓たちはこれを忌避して長屋をつくって数世帯がいっしょに住むようになった。このため鎰役によって世帯ごとに課税した。石高制実施に伴って消滅したが、地域によっては小物成(こものなり)として残った所もある。

吉永 昭]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android