鎮海(中国)(読み)ちんかい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「鎮海(中国)」の意味・わかりやすい解説

鎮海(中国)
ちんかい / チェンハイ

中国浙江(せっこう)省北東部の沿海、甬江(ようこう)の下流域にある寧波(ニンポー)市の市轄区。人口23万5336(2015)。隋(ずい)代に句章(くしょう)県が置かれ、唐代には(ぼう)県、五代のとき呉越が望海(ぼうかい)県を置き、宋(そう)代に定海(ていかい)県と改められた。清(しん)代には舟山(しゅうざん)群島に定海県(現、舟山市定海区)が置かれたため鎮海県と改められた。宋代以降、西方にある寧波が海外貿易で繁栄し始めると、鎮海はその外港として重視され日本および朝鮮との貿易で栄えた。明(みん)代には倭寇(わこう)の根拠地となったこともある。1985年、寧波市に編入され、その市轄区となった。稲作とワタ作が産業の中心であるが、舟山群島近海の好漁場に近く漁業も盛んである。甬江岸では新石器時代の住居跡が発見されている。

[林 和生・編集部 2017年4月18日]

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百科事典マイペディア 「鎮海(中国)」の意味・わかりやすい解説

鎮海(中国)【ちんかい】

中国,浙江省北東部,甬(よう)江河口左岸の漁港。現在は寧波(ニンポー)市の鎮海区として,その外港となっている。寧波が明州といわれたころには,おもに朝鮮・日本向けの貿易港で,14―16世紀に倭寇(わこう)の基地となったこともある。

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