錦(旧町名)(読み)にしき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「錦(旧町名)」の意味・わかりやすい解説

錦(旧町名)
にしき

山口県北東部、玖珂郡(くがぐん)にあった旧町名(錦町(ちょう))。現在は岩国市の北西部を占める地域。広島、島根両県に接する。錦川の中流と支流宇佐川の流域を占め、ほとんどが山地で、平地の少ない農林業の地域。旧錦町は、1955年(昭和30)広瀬町と深須(ふかす)、高根の2村が合併して成立。そのときの人口1万2320人は1980年には6296人に半減した過疎地で、2006年(平成18)に岩国市と合併した。広瀬は近世以降山代(やましろ)地方(玖珂郡北部)の行政、商業の中心で、和紙や薪炭(しんたん)の集散地として栄えた山間の小市場町であった。現在は岩国市錦総合支所があり、第三セクター錦川鉄道の終点。国道187号、434号が通じる。木谷(きだに)川流域のスギ、ヒノキの美林は有名。特産にワサビシイタケコンニャクがある。宇佐川上流の寂地山(じゃくちさん)(1337メートル)は県内最高の山地で、ブナの原生林や寂地峡の渓谷美に優れ、西中国山地国定公園の中心。宇佐川沿いに深谷峡、雙津(そうづ)峡の各温泉がある。

三浦 肇]

『『錦町史』(1988・錦町)』


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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