釜口(読み)かまぐち

日本歴史地名大系 「釜口」の解説

釜口
かまぐち

[現在地名]岡谷市湖畔

諏訪湖には、周囲の山々よりかみ川・みや川・川・横河よつかわ川など多くの河川が流入しているが、排水口はただ一つ西方の天竜川があるのみである。この口を釜口とよぶ。湖岸には低湿地を開拓して水田とした耕作地があり、これを見出みいでといった。このため長雨のあるたびに湖辺の村村は大きな被害を受けた。

こうした被害を除去するために尾尻(釜口。天竜川の川口)の切り広めや、天竜川の川浚えなどが行われた。満水堀まんすいぼりは日根野高吉が文禄元年(一五九二)高島城を築く時、城内への浸水を防ぐため諏訪湖の尾尻に掘割りした排水路である。この結果、弁天べんてん島ができたといわれている(諏訪郡諸村並旧蹟年代記)。こうして満水堀は開削されたが、その排水は十分ではなかったため、天和三年―元禄二年(一六八三―八九)に、弁天島の中間にさらに一条の排水路を開き、これを新堀しんぼりといった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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