金利先物取引(読み)きんりさきものとりひき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「金利先物取引」の意味・わかりやすい解説

金利先物取引
きんりさきものとりひき

金融先物取引の一つで、短期金利指標として、事前に決めた期日に、事前に決めた条件で資金貸し借りする取引金利先物取引は取引所で行われ、日本の場合、取引所上場商品に限定される。日本では1988年(昭和63)5月の「金融先物取引法」の成立を受けて、89年(平成1)6月に東京金融先物取引所で取引が開始された(設立は同年4月)。その後、2007年9月に金融先物取引法が廃止され、証券取引法を改正した金融商品取引法が施行された。これに伴い東京金融先物取引所は社名を変更し、現在は東京金融取引所が取引を行っている。現在、金利先物取引として、ユーロ円3か月金利先物(1989年6月~)、ユーロ円3か月金利先物オプション(1991年7月~)などが上場されている。なお、日本円短期金利先物、米ドル短期金利先物、円金利スワップ先物(5年ならびに10年)なども上場されていたが、現在はいずれも取引休止となっている。

 通常の先物取引は契約価格が呼び値(売買の値段)に使用されるが、金利先物取引の場合、その貸し借りの金利が呼び値に使われる。また、売ったものは買う、買ったものは売るというように反対売買で取引が終了するため、売買の締切日が決められている。この締切日を限月(げんげつ)というが、ユーロ円3か月金利先物、ユーロ円3か月金利先物オプションいずれも、3、6、9、12月の第3水曜日の2営業日前と決められている。決済実際に貸付・借入を行うわけではなく、売った価格と買った価格の価格差で利益を受け取ったり、損失分を支払ったりする差金決済で行われる。

[北井 修]

『東京証券取引所編『入門 日本の証券市場――東証の機能としくみ』(2004・東洋経済新報社)』『鹿野嘉昭著『日本の金融制度』第2版(2006・東洋経済新報社)』

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