野村町(読み)のむらちよう

日本歴史地名大系 「野村町」の解説

野村町
のむらちよう

面積:一八七・六一平方キロ

宇和川(肱川)流域の野村盆地(標高一〇〇―一二〇メートル)と、ひじ川支流の舟戸ふなど川流域を占める町。東端上浮穴かみうけな郡・高知県に接する大野おおのはらカルスト地形が発達する。

中世以来の柳之やなぎの郷・周智すち郷、近世では宇和島藩の十組支配における野村組の地域にほぼ該当する。江戸初期から楮による泉貨(仙花)紙製造の発祥地として知られ中期以降は櫨による木蝋製造が盛んであった。明治中期からは造林が盛んで、みごとな町有林がある。第二次世界大戦後は酪農が行われている。中心の野村は近世から在町として発達していた。

明治二二年(一八八九)の町村制施行で渓筋たにすじ(白髭・松渓・長谷・四郎谷の四村が合併)中筋なかすじ(冨野川・高瀬・平野・蔵良の四村が合併)貝吹かいぶき(中通川・西・栗木・鎌田の四村が合併)(片川・野村・阿下・釜川の四村が合併)横林よこばやし(坂石・予子林の二村が合併)惣川そうがわ村が生れた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報