高瀬(読み)たかせ

精選版 日本国語大辞典 「高瀬」の意味・読み・例文・類語

たか‐せ【高瀬】

[1] 〘名〙
① 川の浅い所。浅瀬。
※源氏(1001‐14頃)橋姫「橋姫の心をくみて高瀬さす棹のしづくに袖ぞぬれぬる」
② 「たかせぶね(高瀬舟)(一)」の略。〔二十巻本和名抄(934頃)〕
※夫木(1310頃)三三「難波江にくだすたかせの越す棹に幾度起ちぬ鴨の群鳥〈登蓮〉」
③ (「たかぜ」) 海中の暗礁。佐渡地方でいう。
[2]
[一] 「たかせがわ(高瀬川)(一)」の略。
[二] (応神天皇が、高所から川の水が流れ落ちるのを見て名づけたと伝えられる) 古代、播磨国餝磨郡の地名。現在の兵庫県姫路市花田町にあたる。市川の右岸。
[三] 河内国茨田郡高瀬郷の地名。現在の大阪府守口市のあたり。
[四] 熊本県玉名市の地名。旧玉名郡高瀬町。菊池川の河口にあり、中世以降は河港高瀬津として知られた。

たかせ【高瀬】

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デジタル大辞泉 「高瀬」の意味・読み・例文・類語

たか‐せ【高瀬】

川の瀬の浅い所。浅瀬。
高瀬舟」の略。

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日本歴史地名大系 「高瀬」の解説

高瀬
たかせ

古代律令制下では茨田まんだ郡高瀬郷(和名抄)、中世には高瀬庄小高瀬こだかせ庄とよばれた地域。近世初期には小高瀬村があり、のち小高瀬を冠した大枝おおえだ村・世木せぎ村・馬場ばば村となった。古くには淀川に臨む地であったと考えられ、近世にもこの辺りの淀川を高瀬川と称した(摂州榎並河州八個両庄之地図)。当地は難波なにわ津や難波(跡地は現東区)と大和を結ぶ交通の要所であり、また淀川舟運の拠点として古くから開けた。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「高瀬」の意味・わかりやすい解説

高瀬
たかせ

香川県西部,三豊市中部の旧町域。三豊平野の東部,高瀬川上流域にある。東端に大麻山,西に七宝山の開析された溶岩台地がある。 1955年上高瀬村,勝間村,比地二村,二宮村,麻村の5村が合体して町制。 2006年山本町,三野町,豊中町,詫間町,仁尾町,財田町の6町と合体して三豊市となる。国市池,岩瀬池など,ため池が多く,チャ (茶) ,野菜,果樹栽培,畜産が行なわれる。国指定史跡の二ノ宮窯跡のほか,歓喜院の瓦窯跡などがある。爺神山 (とかみやま) は採石による山容の変化が著しい。大麻山一帯は瀬戸内海国立公園に属する。

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改訂新版 世界大百科事典 「高瀬」の意味・わかりやすい解説

高瀬[温泉] (たかせ)

新潟県北部,岩船郡関川村にある温泉。鷹ノ巣温泉,雲母(きら)温泉,湯沢温泉とともに荒川峡温泉郷をなす。米沢街道を往来する旅人に利用されてきた古い温泉だが,近年のボーリングによって湯量が増加し,温泉街の規模も大きくなった。泉質は食塩泉,泉温68~72℃。JR米坂線越後下関駅からバスで約10分。駅の近くには江戸時代の庄屋で酒造,廻船業も営んだ渡辺家住宅があり,温泉から荒川峡谷をたどる自然遊歩道は新緑や紅葉の時期がとくによい。
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高瀬 (たかせ)

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普及版 字通 「高瀬」の読み・字形・画数・意味

【高瀬】こうらい

たかせ。

字通「高」の項目を見る

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