野夫(読み)ヤフ

デジタル大辞泉 「野夫」の意味・読み・例文・類語

や‐ふ【野夫】

《「やぶ」とも》田舎に住む男。田舎者自分を謙遜していうこともある。田夫でんぷ
「―といへども、さすがに情け知らぬにはあらず」〈奥の細道

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精選版 日本国語大辞典 「野夫」の意味・読み・例文・類語

や‐ふ【野夫】

〘名〙 (「やぶ」とも) いなかに住む男。いなか者。農夫田夫(でんぷ)野人。また、自分をへりくだっていう語。
菅家文草(900頃)一〇・為小野親王謝別給封戸第二表「室無懸磬、長失野夫之聞
評判記色道大鏡(1678)一三「野夫(ヤフ)船子やうの者のみ入こみて、心ある人の来るは稀なり」 〔黄滔‐厳陵釣台詩〕

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普及版 字通 「野夫」の読み・字形・画数・意味

【野夫】やふ

野人。農夫。〔礼記、郊特牲〕冠して祭るは、田夫を息(いこ)はしむるなり。野夫は冠す。冠はなり。

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改訂新版 世界大百科事典 「野夫」の意味・わかりやすい解説

野夫 (やふ)
Yě fū
生没年:1909-73

中国の版画家。本名は鄭野夫。浙江省楽清の人。上海美術専科学校在学中に《一八芸社》や《野風画会》の木刻創作活動に参画した。1936年江豊と《鉄馬版画会》を組織し,39年浙江省麗水に木刻用品を製造販売する合作社を設立し,さらに木刻製造工場へ発展し江西福建,上海の各地に事業を広げた。またこの事業のほかに通信教育によって新人を育成した。白黒の単純な中に強靱な版技を示した。
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百科事典マイペディア 「野夫」の意味・わかりやすい解説

野夫【やふ】

中国の木刻画家。本名鄭誠之。浙江省楽清の人。上海の美術専門学校を出,制作のかたわら〈一八芸社〉(1930年),〈野風画会〉(1932年)を結成し,魯迅の興した木刻運動を推進した。

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