那須余市(読み)なすのよいち

精選版 日本国語大辞典 「那須余市」の意味・読み・例文・類語

なす‐の‐よいち【那須余市】

[2] 謡曲
越前国(福井県)平泉寺の風流に、那須の与一が扇の的を射落とすさまを演じる稚児の花若は、父の心配にもかかわらず、見事にこれを演じて見せる。廃曲。延年那須。
越後国(新潟県)に流罪にされている那須の与一は、あずかり主の五十嵐小文字の子亀若丸の具足着の宴に具足親となって、八島合戦のさまを語る。廃曲。母衣(ほろ)

なす‐の‐よいち【那須余市】

平安末期・鎌倉初期の武将。与市・与一とも。名は宗高。下野国(栃木県)那須の人。源義経に従って活躍、寿永四年(一一八五)、屋島の合戦では、扇の的を射落とし、弓の名手とうたわれた。丹波信濃など五国に荘園を賜わり、那須の総領となったが、のち剃髪して上洛伏見で没したといわれる。生没年未詳。

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